Journal

2025.04.06
atelier plowとナチュラルダイヤモンドのこと
こんにちは。TROAの池田です。
今回は、名古屋にあるジュエリーメーカー「atelier plow(アトリエプラウ)」の事、そして、atelier plowを語る上では欠かせない「ナチュラルダイヤモンド」の事について書きたいと思います。

みなさん、ナチュラルダイヤモンドってご存じでしょうか。
ナチュラルダイヤモンドとは、眩いばかりにキラキラと輝く無色透明なアレ……
……とはまったく異なった見た目のダイヤモンドで、元々の色味や模様(インクルージョン)を、唯一無二の「魅力」と捉えた天然ダイヤモンドのことを指します。
「4C(※)」というダイヤモンドの評価基準からすると、上記した「色」や「インクルージョン」は、マイナス評価の対象されているものです。
しかしながら、その見た目は千差万別で、様々な鉱物が混入していたり、数千万年前に刻まれた亀裂やクラウドと呼ばれる独特な模様が見て取れたり。赤や黄色、茶色やオレンジ、ブルーなど、光の加減で様々な色が現れる、無色透明のダイヤモンドにはない、地球が描いた絵画のような、芸術的な魅力を持つのがこのダイヤモンドの特徴です。

夕日に照らされた海のように軽やかに揺らめくオレンジが散りばめられた石。曇り空に太陽の光が明るく差し込む風景を連想させる石。それぞれが奇跡のような芸術性を纏っています。
僕個人としては、4C基準で定められたダイヤモンドより、かたちも色もバラバラなナチュラルダイヤモンドのほうに強く惹かれます。
もちろん人によっては、このインクルージョンを「汚れている」「欠点」と捉える人もいると思います。
それでもこの個性豊かなダイヤモンドに惹かれてしてしまうのは、それは僕自身が全然完ぺきじゃないから、かもしれません…笑

「欠点」とされてきたものを「魅力」と捉え直すことで、それが強い個性となり、魅力の中核にすらなる。そこが、ナチュラルダイヤモンドに強く惹かれる大きな理由です。
これって人間も一緒だなー、とつくづく思うのです。あいつ、ちょっと鈍くさいけど、そこが愛らしくていいヤツだよね、みたいな。

僕は、「均一化され、無色透明で模様がない石ほど美しい。」とされている既定の価値感に思いっきり逆張りしているナチュラルダイヤモンドは、多様な文化、価値を否定せずに認め合う、今を生きる僕らの感性にすごくフィットしている宝石だと思っているのですが、、これを読んでくださっている皆さんは、ナチュラルダイヤモンドを見てどう感じるでしょうか?

…で、ここからはatelier plowの話。
そんなナチュラルダイヤモンドの魅力にいち早く気が付いて、その勢いのままインドまで単身乗り込んじゃった人。それが、atelier plowの伊林さんです。
世界中のダイヤモンドが集まる街インド・スートラまで行って、現地の研磨工場で働く職人達と一緒に仕事をし、ご飯を食べ、生活を共にしながら家族みたいに仲良くなって、そして、めちゃめちゃ良質なナチュラルダイヤモンドを現地で買い付けて日本に持ってくるスゴイ人。それが、atelier plowの伊林さんです。(二回目)
…言わずもがな、そんな人、他にいません。

atelier plowとTROAとの出会いは、思いっきりコロナ禍の2020年の9月。TROAに掛かってきた一本の電話から始まりました。
電話の向こうは、伊林さん本人です。
今考えると、伊林さんのほうから「僕が作っている指輪を扱いませんか?」と打診されるなんて、それは、コロナ禍という特異な状況だから起こりえた奇跡だったと思います。
電話を受けてから1カ月と経たずして、伊林さんは名古屋からここ山形の酒田まで、ひとり車で来てくれました。素朴なのに品があって、自然な魅力をまとう結婚指輪とナチュラルダイヤモンドの指輪をたずさえて。
その時は、とにかくただただ伊林さんのお話に引き寄せられたことを覚えています。
海外を放浪した話、好奇心が強く、恐怖心がないって話。ナチュラルダイヤモンドに魅せられた話。仲間の話。職人としての真摯な思い。
一見強面…?だけど、笑顔が少年の様で、まっすぐ話す人。
あっという間にatelier plowのジュエリーと伊林さんという人間に魅了された僕は、すぐさま「atelier plowのリングをウチでご案内させてください。」とお答えしました。
※写真は、山形にて最上川を観光中のatelier plowの伊林さんと三島さん。
atelier plowのコンセプトを以下に綴ります。

人が暮らすということは 「作る」ということ
着るもの、食べるもの、使う道具どれも自分や誰かが作ったもの。
手しごとにより生み出されたものは時が経つほどになじみ愛着がわく。
このアトリエは、温もりあるものであふれています。
「今日は特別だから着ける」のではなく、「何でもない日だけど着けていたい」
atelier plowではそんなジュエリーを提案していきます。
あなたの暮らす世界がより豊かに満たされますように。
Designer:伊林 永典

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本当に素敵なコンセプトだし、この文章に嘘が無いのは、伊林さんと接したことがある人なら良くわかると思います。
よかったら、atelier plowのホームページも覗いてみてください。
きっと、心に響くものがあります。
https://www.atelierplow.jp/


atelier plowのブライダルリングは、自然の中に垣間見えた美しい景色を造形にしています。
素朴で抽象的なのに強く惹かれる。引力みたいな力があります。
この4年間、当店でたくさんの方にatelier plowの結婚指輪を選んでいただき、愛用していただいてます。
結婚指輪はふたりのフィーリングで選ぶもの。atelier plowの指輪を選んだ方々は、atelier plowの感性とつながっているんだろうな、と思います。
今月は、atelier plowとの2年ぶりの展示会を控えています。
伊林さんが作るジュエリーと、たくさんのナチュラルダイヤモンドのルース(裸石)が、わずかの間ですがTROAに集まります。
atelier plowが所有するナチュラルダイヤモンドは、その時々で全く違っていて、比較的透明度の高い石が揃っているときもあれば、ドキッとするほどキレイなブルーのダイヤモンド、目が覚めるようなイエローダイヤモンドがあったり。それらはすべて「出会い」です。今回の展示会では、どんなダイヤモンドに出会えるのか。。
とても楽しみです。

カナリアのように鮮やかなイエローのナチュラルダイヤモンド。

今回の展示会では、「スライスダイヤモンド(ナチュラルダイヤモンドを板状に薄くスライスし、そこにカットを控えめに施したもの)」のルースを30ピースもご用意いただけるとのこと。(過去最高のボリュームです!)
これが、なんとも幻想的で美しいのです…。
ダイヤ自体のお値段は1万円程度なのでそこまで高価ではないところもうれしいポイント。
とはいえ、市場にあまり出回らないスライスダイヤモンドは本当に希少なので、きっと、今回の展示会で最も注目を浴びるアイテムになると思います。
沢山のルースの中から選びたい方は、お早めにご来店ください。


伊林さんが作るジュエリーは、どれも少し歪な造形で、ナチュラルダイヤモンドと同じ空気を纏っています。
「デザイン」というよりも、手を動かし続け、石と対話しながら自然に出来上がった感じ。
マーケットを意識して作られたモノにはない居心地の良さ、美しさがあります。だからこそ、伊林さんが作るジュエリーは、ナチュラルダイヤモンドと空気のように馴染んでいるんだと思います。
体の一部のように、毎日お守りのような感覚で身に着けてほしい。
そんな風に思います。


atelier plowのイベントは、4月26日から。
伊林さんと三島さんは、26日(土曜)27日(日曜)の二日間、TROAに在廊してくださる予定です。
毎回お会いする度に大きな刺激をいただけるので、今からお会いするのがとても楽しみです。

atelier plow
Natural Diamond Jewelry Exhibition & Order Event
会期:2025.4.26 sat – 5.6 tue 会場:TROA(山形県酒田市)
今回の展示会では、atelier plowの定番アイテムに加え、一点モノのジュエリーやブライダルリングを展示・即売します。また、ブランドが所有する貴重なナチュラルダイヤモンドのルース(裸石)から、好みのアイテムをオーダーできる受注会も開催します。 (※一部のルースは4月26日・27日の二日間のみの展示となります。) あなたの直感で選んだダイヤモンドで、一生モノとなる「自分だけのジュエリー」を作りませんか。
□ファッションジュエリー ¥25,000~
□オーダージュエリー ¥55,000~
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《TROA ONLINE SHOP – atelier plow 商品ページ》
※「4C」とは、ダイヤモンドのCarat(重さ)、Cut(カット)、Color(カラー)、Clarity(透明度)から成る、アメリカの宝飾機関「GIA」が定めたダイヤモンドの評価基準。無色透明で、インクルージョンが無いダイヤモンドほど評価が高いとされている。
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