Journal
2024.06.03
お店のリニューアルと敷居のはなし
なんでお店のリニューアルをしたかというと、10年前に真っ白だった外壁もところどころ黒ずんできたし、旧ロゴの看板も変えなきゃな。とか、ヒビ入ってるとか眩しいとか寒いとか、必要に駆られた思いがまずはあって、それと同時に、今の気分とちがうよなーって、10年を経てチューニングしたい欲に駆られたところも当然あります。
昨年秋ごろから徐々に店舗のリニューアルを進めていたのですが、今年の冬は天気がずっと悪かったので塗装工事が全然進まず。ようやく完了したのが今年4月に入ってでした。
何はともあれ、今回のリニューアルは、左官屋さんと川上さんが、寒い中でめちゃめちゃ頑張って仕上げてくれた超ナイスなテクスチャーのファサードが一番の推しポイントで、他にも真っ白だった外壁がほんのりグレーになったり、ヒバ無垢のシンプルな扉を入口に新設したり、店内にでっかく描かれていた壁画をまっさらにしたりと、色々と今の気分にしっくりくる形に替えました。
一階の壁面棚はリノベデザインを担当してくれた川上さんと一緒にDIYしてます。日日眼鏡につづき、LIFE RECORD ARCHITECTSの川上さん夫婦と佐藤組の加藤さん、その他携わってくださった大勢の職人さんたちに猛烈感謝。 https://www.life-record.jp ←超オススメです。
さて、2022年4月にメガネとサングラスを日日眼鏡(https://hibimegane.com/)に大移動したことで、TROAは指輪やジュエリーがメインのお店になりました。お店からメガネ部門がゴソッと抜けたことで、すこし敷居が高い店になったんじゃないかと思います。
そこから1年後の今、グレーのシックな外観にリニューアルしたことでさらに敷居が高くなったかも。。実際、「入りづらい。」ってよく言われます。(前からだけど。)
でもね、思うんです。決して安くない商品を扱ってる以上、敷居の高さ、すなわち、入店をすこし辿らってしまうぐらいのちょっとしたドキドキ感だってお店には必要じゃないかと。とくにウチみたいな、他では売ってない珍しい結婚指輪とか、とんがってるファッションジュエリーなんかを販売しているショップにとって、「商品」「人」とおんなじぐらい、「空間」もすんごく重要だと思うんです。
ちなみに、ぼくのいう敷居の高さは「高級感」じゃないです。ここは明確に否定します。ゴリゴリ高級感出してるジュエリーショップの雰囲気、ぼく全然好きじゃないので。
「お金持ちのステータス」的なジュエリーに魅力を感じないし興味もない。物はもちろんキレイだと思うけど、それを取り巻く業界全体の空気が昔から苦手で。ぼくは、作り手、お客様、自分の感性、四方八方で真剣に向き合う等身大で嘘がない、すーっと整った空気の中で仕事していたい。
決してラグジュアリーな店にはしたくないし、変に作り込んだウソくさい店にもしたくない。できる限り自然で整ったお店が好きだから、大都市に並んでるジュエリーショップのカウンターカルチャーとして、ウチの店があると思ってます。
元々、店に入るだけでお客様からワクワクしてもらえるぐらい理想的な場所だと思って、ここにお店を建てたわけで、品揃えだって、確固たるアイデンティティを持ったデザイナーさん、職人さんが手掛けるアイテムを自信を持ってセレクトしてます。
本当に良い店ってなんだろうか。という問いは、ぼくの中での命題。だから今後も止まる事なく進行形でこのお店を良くしていきたいと思ってます。
TROA 池田